俺は、そっと理絵の肩に手を置いた。
平然と歌い続けているふりをしていたが、本当は心臓が飛び出しそうなくらい緊張していた。
もし嫌がられたら──。
そんな不安が頭をよぎる。
しかし、理絵は何も言わなかった。
静かに俺の方へ体を寄せ、そのまま頭を俺の肩にもたれかけてきた。
その瞬間、胸の奥が熱くなった。
俺たちは、そのまま最後まで歌を聴いていた。
曲が終わると、理絵がゆっくりと俺の顔を覗き込む。
『ほんまにうまいなぁ……』
『そうかぁ?
ありがとう♪』
理絵は優しく微笑んでいた。
その笑顔を見た瞬間、俺は今しかないと思った。
▶ 第20話へ続く…

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