理絵は俺に背中を向けたまま、テレビを見ていた。
俺はそんな理絵の背中に、ぴったりと体を寄せた。
背中越しに伝わる理絵の温もり……。
この瞬間は、いつだってドキドキするものだ……。
恐らく、俺の心臓の鼓動も理絵に聞こえていたはずだ……。
しかし、なかなか次へ進むきっかけがない。
しばらくそのままでいた俺は、意を決してリモコンを手に取った。
そして──。
テレビを消した。
『あ~!』
突然テレビが消えたことに驚いた理絵が、振り向きながら声を上げる……。
その瞬間、俺は理絵の言葉を塞ぐように唇を重ねた……。
テレビの音が消えた静かな部屋。
そこには、俺と理絵の気配だけが残っていた……。
▶ 第29話へ続く…

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